MacPro(Early2009)のCPU換装(E5520 -> E5675)と一言
コトノハジマリ
みなさん、こんにちは。
現在メイン機としてMacPro(Early2009)を使用しておりブログ編集、動画、イラスト、3DCGとわたくしの脳クロックには十分すぎる性能で満足しているのですが、若干文字入力のモタツキを感じる場合があるのです。
そこで、ついにというかCPU換装を実行することにしました。
このMacについて(換装前)
換装前の準備として直近1ヶ月でファームを4.1から5.1へ。OSはSierra、メモリもECC Registred 32GBへ拡張済み。
CPU換装時に於ける最大の注意点
当たり前ですがAppleはCPU交換なんて推奨しておりません。
当然自己責任となるわけですがまずこの表をご覧ください。
旧タワー型MacProに搭載されたCPU群
この表で注目すべきはCPU電圧とその搭載数の関係です。
TDP100W超CPUが2個搭載されたのはMacPro2008のE5482のみ。それ以降CPU2個搭載モデルは必ずTDP 100W以下のXeonが採用されています。
私自身取り出して確認したわけではないのですが、ネットでの一部情報というかヤフオクに出品された純正電源を見る限り960Wの電源が搭載されているはず。
それほどの電源を搭載しているのならば電力供給は十分に余裕があると言えます。
しかしながらCPUの消費電力が上がればそれに比例して発熱も上昇するため、MacProのエアフローに加え、搭載されたヒートシンクの冷却性能を考慮する必要があります。
いくらCPU性能が上がっても長時間の重い処理に耐えることができなければ換装した意味がありません。
当時のAppleはタワー型MacProのCPU冷却に関し、安定した動作、余計なトラブルを回避するためTDP100W以下のCPU搭載に切り替えていったのでは?と感じました。
ちなみに発熱と冷却性能が釣り合わなかった場合
- 熱暴走を起こし、再起動が頻発する
- 基盤への過度の熱収縮が発生しハンダ割れやコンデンサの液漏れを発生させる
このようなリスクが高まることも念頭に入れておくべきだと思います。
Xeon E5675を取り付ける
ということで今回用意したCPUはXeon 5675。実際にこれ以上の処理性能を誇るXeonを載せることも考えましたが、上記理由により踏み切れませんでした。
Xeon5657ならば消費電力も95Wと100W以内に収まっており、Appleも2012年モデルにて出荷していることからも冷却も十分に対応していると確信しております。
一つ注意点としてMacPro(Early2009)にはヒートスプレッダ付きCPUが装着できません。
それはMacPro(Early2009)の仕様であり、どのCPUを選んだとしても殻割りが必須だという事です。
殻割りを行ったXeon E5675(左)と取り外したXeon E5520(右)
私は殻割りの道具や技術もないので、それができる方にお願いしました。その方いわくCPUダイ表面のハンダ除去、平面出しが一番難しいようです。
とりあえず載せてみた
ヒートシンクを止める土台のピン先にブルーのロック剤が塗布されているのが確認できます。
そのため最初回すのが硬く感じました。
あとはCPUダイ上にサーマルグリス(MX-4)を塗布しカバーを載せ元に戻すだけ。
作業自体も開始から30分位の作業量でした。
あと余談ですが最初に塗布されていたサーマルグリスも決してドライでなく性能の良いグリスだなと感じました。
換装後の動作とベンチ
簡単ながら換装後のベンチ結果について記載しておきます。
Cinebench CPUで741→1415とほぼ2倍のスコア。
このスコアは消費電力こそ敵わないものの処理性能に於いてはRyzen1700と同性能のスコアです。
Geekbench Single:2607、Multi:27642という結果でした。
温度も平時45℃から高負荷時73℃の範囲に収まり冷却も安定しています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回のアップグレードで一番の山はどうやって殻割り済みのXeonを入手するかと言う位作業自体は難しいものではありませんでした。
しかしながら速度的には大変大きなリターンが返ってきたと感じております。
これからもこのMacProと付き合っていけるようです。
この記事がみなさまのご参考になれば幸いです。
最後までお読み頂き有難う御座いました。
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